小公女セーラは現代に通用するパワハラの教科書

小公女セーラというアニメがあります。

もう40年ほども前にテレビ放送された、世界名作劇場シリーズのひとつのアニメです。

わたし自身、その存在を知ってはいたものの、まともに見ることがないまま40代の大人になってしまいました。

ここ最近、妻がたまたまこの小公女セーラを見ていたのですが、私も前々から気になっていたので、途中から一緒に見ることになりました。

しかし、これがまた私の想像を遥かに超える、とんでもない内容でした。(そして、最後まで見終わった後、自主的に最初から見返すことになる)

一方で、現代社会にはびこるパワハラを学ぶにはこれ以上ない教材だとも思ったのです。

小公女セーラとは

詳しい内容を知りたい方は、オフィシャルサイトWikipediaの情報をご参照ください。

大まかな流れとしては、

  • 上流階級の娘だったセーラが、父親の事業の破産と父親の死に直面する。
  • それまでVIP待遇の生徒として学んでいた学院で、メイドとして酷使される身分に落ちてしまう。
  • 学院の院長・使用人・生徒などからの壮絶ないじめを受ける。
  • しかし、父の莫大な遺産があることがわかり、最後はプリンセスとして復活する。

という物語です。

主人公のセーラが受ける仕打ちがひどいとは噂に聞いていましたが、当時こんな過激なものを子供たちが見ていたとはちょっと信じられません。

小公女セーラでパワハラの手口を学ぶ

まさに現代で言うパワハラが、このアニメの中では繰り広げられています。

アニメですから、現代社会で発生しうるパワハラに比べて多少誇張されている部分はありますが、手口としては同じといえます。

院長:マリア
使用人:モーリー (メイド頭で、セーラのメイド時代は直属の上司にあたる)
生徒:ラビニア

この3人が、このアニメの中でのパワハラの3大元凶です。

会社組織でのパワハラについて考える場合、そのなかでも、院長のマリアと使用人のモーリーに特に注目するべきです。

パワハラは、一般的には権力をもつ上司から部下に対して行われることが多いですからね。

小公女セーラでのパワハラの事例

小公女セーラはパワハラの見本市と言っていいでしょう。

特にセーラがVIP待遇の生徒からメイドの立場に変わって以降、物語の中でパワハラのシーンを探すのには事欠きません。

一つの例としては、「セーラが元気そうにしていることで、院長が激怒。結果的にセーラは冤罪をかぶせられ懲罰をうける。」といったものがあります。

ふつう、元気に働いてもらったほうがいいですよね。

しかし、そういった一般常識を覆す思考回路で、これらの人々はセーラを追い詰めていきます。

元気であることに難癖をつけるということは、通常の思考回路では発想自体できませんが、こういった考え方もって行動に移せる人がパワハラを上手に行える人なんだと思います。

言うまでもなく、セーラが元気ではない状況であっても、他人の失敗がセーラがやったことになって叱責・懲罰はあたりまえです。

パワハラシーンに関して全体的に言えるのは、以下のポイントをおさえて彼女らがパワハラを行っていることです。

  • セーラがなにをやっても叱責する。(駄目なポイントを無理やり見つけ出し・作り出している。)
  • それも、毎回・継続的に行う。
  • 徹底した差別で、手のひら返しも強烈。

セーラはメイドとしての同僚であるベッキーと共に働いています。

ベッキーも基本的にひどい扱いを受けているのですが、同じ仕事をしているにもかかわらず、セーラに対する当たりのほうが圧倒的に厳しいです。

結論としては、パワハラを行うことが目的になっていますから、セーラがどんな成果を出したところで無駄なのです。

これは、現実世界のパワハラにもあてはまりますから、かなりリアルです。

さすがに一般的な会社のパワハラで馬小屋で寝起きさせられることはありませんが、小公女セーラの物語の中で出てくる叱責理由の無茶苦茶具合は、現実世界のパワハラとそん色ありません。

また、パワハラのために使う時間を自分のために使ったら?と思いたくなりますが、こういった人々は仕事を下々の物に押し付けていて自分は時間がありますから、そのあたりもリアルです。

小公女セーラの原作である『小公女』(しょうこうじょ、A Little Princess)は1905年に発行された小説のようです。

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感想(1件)

つまり、200年以上前と根本的な問題はあまり変わっていないということですね。

この本自体はフィクションであっても、歴史から学べるとも言えそうです。

歴史から学べるのは、日本史や世界史の教科書に書いてある歴史だけじゃないよということでしょうか。

小公女セーラの世界はサイコパスだらけ

マリア・モーリー・ラビニアを中心に展開されるパワハラは、通常の人間の思考の限界を超えて展開されます。

執拗に、とことんセーラを追い詰めていくその姿は、まさにサイコパスです。

自分より立場が上の人に対する態度の豹変ぶりも、二重人格と言っていいほどです。

一方で、主人公のセーラも少し違った形のサイコパスの片りんをのぞかせます。

パワハラをしてくる人たちとの空気の読めないコミュニケーションや、小公女として復活した時の瞬時の切り替わりぶりなど、要所要所で常人には計り知れない狂気が感じれらます。

セーラが苛め抜かれたあげく、最後にお嬢様として復活する後半のストーリーは、かなりの盛り上がりを見せます。

しかし、最終回まで全て見終わった後に、少し背筋に寒いものが走りました。

主人公のセーラを含んだ多くの登場人物がサイコパス要素を持っているのです。

このアニメによって、人間の怖さをあらためて思い知ったように思います。

とはいえ、その中でやはり群を抜いているのは学院の院長であるマリア・ミンチンですね。

小公女セーラを見るまでは、性格に問題があるアニメ・マンガの登場人物のトップと言えば、北斗の拳のジャギをおいて他にいないと思っていました。

しかし、今回その座は、小公女セーラの院長:マリア・ミンチンに譲渡されました。

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セーラの真似をしてはいけない部分

パワハラを受けているセーラの行動で、実世界で真似をしてはいけないポイントがいつくかあります。

これは、反面教師としてこのアニメから学べるものです。

やってはいけないこと

  • 意見する。
  • 逃げない。

セーラは、たびたび院長であるマリアにお願いをしたり、意見を伝えたりします。

第三者から見ると、”マリアの導線に火をつけるだけ”なのですが、案の定院長の怒りをかうことになり、さらに立場が苦しいものになります。

実際にパワハラを受けている状況にある場合、パワハラをしてきているその組織の絶対権力者に逆らうそぶりを見せてはいけません。

例えそれが正論であってもです。

パワハラをしてくるような人間に、正論が通用するでしょうか?

また、セーラは、この超絶ブラックな学院から脱出できる機会も何度かあったにも関わらず、学院に残ることを選んでいます。

例えば、セーラがお嬢様の身分だったときに馬車の運転手?として雇っていたピーターから、ピーターの家で暮らすことを提案された際、”自分に負けるような気がするから”といったような理由で断っています。

パワハラから逃げられるのであれば、逃げるべきです。

セーラの場合、パワハラに耐えた挙句、最後は莫大な財産が入ったことによってプリンセスとして復活し、パワハラ問題は完全に解決します。

しかし、世の中の大多数の人にとって莫大な財産が入るなどということはありませんし、もし財産が入るのだとしても、事前に逃げておいたほうがよりはやくパワハラの苦しみから脱することができます。

まとめ

小公女セーラを見ることで、以下が学べます。

学べること

  • パワハラの手口。
  • パワハラを受けたらやってはいけないこと。
  • 人間の怖さ。

さらにもうひとつ重大なことがあります。

  • 生きていくうえで、お金は重要。

という点です。

結局のところ、物語の中で発生した問題はお金で全て解決しています。

現実社会でも、お金が沢山あったらそんなブラック会社で働く必要もないですし、もっと言えば会社を買収するなどしてパワハラ上司に対して圧倒的上位の立場になることもできるということですね。

この小公女セーラは、U-NEXTdアニメで視聴することができます。

鬼滅の刃などを見ている現代の子供たちにもぜひ見てもらいたいものです。

子供たちが大人になる20xx年にも通用する内容であると思います。




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