楽天プレミアムカード改悪への対応を落ち着いて考える
楽天プレミアムカードとSPU(スーパーポイントアッププログラム)の改悪の発表が世間をにぎわせています。
よく見るとライトユーザーによっては改善とも言える内容のようですが、楽天ヘビーユーザーにとっては正直大打撃です。(わたしもその一人です)
そのうち楽天プレミアムカードについては、還元率の低下とプライオリティパスの制限という大きな2つの改悪があり、Xなどでも「楽天カードを解約する」といったコメントが目立ちます。
しかし、サービスの改悪というものは、楽天カード・楽天経済圏に限らずどこでも行われてきていることです。
つまり、改悪されたからといってすぐ楽天カードを解約すると考えるのは早計です。
改悪されたからといってすぐに利用者に不利益が発生するわけでもないので、落ち着いて今後どう対応するのがよいのか検討してみました。
楽天カードのメリットについて考える
あらためて、楽天カードを利用するメリットにはどういうものがあるかを考えます。
まず、このたびの楽天プレミアムカードのサービス変更に関しては、楽天カードからのニュースで確認できます。
改悪についての詳しい説明はここでは省略し、あくまでサービス改悪後になんのメリットが残っているのかに注目します。
楽天カードのメリット
・基本還元率が1%
・楽天市場でのカード利用分が+1(=1%還元)
・条件を満たせば街の買い物の還元率が2%
・楽天銀行と合わせて利用すれば条件達成でSPUが最大+0.5倍(=最大0.5%還元)
・楽天証券での投資信託の購入でポイント付与
少なくとも、これらの点については、どの種類の楽天カードでも引き続きメリットとして存在しています。
ただし、楽天プレミアムカードのサービス変更により、これらの部分に対して、楽天プレミアムカードの優位性というものはほぼなくなってしまいました。
なぜなら、楽天市場での楽天プレミアムカード利用分がポイント+2倍というサービスが廃止されるからです。
解約後の楽天プレミアムカードの優位性は?
では、その状況にあって、楽天プレミアムカードになんの優位性があるのでしょうか。
結論としては、サービス改悪後も楽天市場で毎月20万円程度以上の利用がある方のみメリットがあるといえます。
改悪後、他の種類の楽天カードでのSPU(スーパーポイントアッププログラム)の上限が1,000ポイントです。
一方で楽天プレミアムカードは5,000ポイントですから、ここが大きな優位性です。
ポイントアップは1倍ですから、つまり月間最大50万円までの楽天市場での買い物に対してポイントアップが適用されます。
ただし、他のSPUのポイントアップ分の条件を見ると、楽天市場での月間の買い物は、購入額50,000円が全体的なポイント還元の上限にあたります。
ですから、実情としては楽天モバイル利用を含めて複数のSPUを達成しつつ、毎月50,000円ぐらいを楽天市場で利用する形式が最もお得といえるでしょう。
ノーマル楽天カードなどのSPU上限は1,000ポイントですから、ポイント還元上限は毎月10万円までの利用です。
ノーマル楽天カードのポイント還元上限額が既にSPUでの還元上限額を超えていますから、楽天プレミアムカードである必要性があまり感じられませんね。
例えば、なんらかの理由により、この先も楽天市場の利用が毎月20万円発生する方にとっては、楽天プレミアムカードにしておけば、毎月1,000ポイントが上積みされます。
年間にして12,000ポイントになるのでこれで年会費は帳消しとなり、お得です。
しかし、この条件にあてはまる方はかなり限定されると言えるでしょう。
注目すべきは投資信託
今回の発表の中で、変更されずに還元率を維持しているのが、「楽天証券で、楽天カードを利用して投資信託を購入した場合の還元率」です。
この観点では、以下のように楽天プレミアムカードに優位性があります。
還元率 | |
楽天プレミアムカード | 1.0% |
楽天ゴールドカード | 0.75% |
楽天カード | 0.5% |
※還元率に関する楽天カードのオフィシャルな情報はこちらです。
なお、この還元率の条件は、代行手数料年率0.40%(税込)未満の投資信託の場合です。
代行手数料年率0.40%(税込)以上の投資信託の場合は、カードの種類によらず一律1.0%還元です。
しかし、手数料が高い投資信託はそもそも選択するべきではありません。
投資信託を楽天カードで購入した場合のポイントが付く上限金額は50,000円です。
楽天証券で、毎月50,000円の投資信託を楽天カードで購入した場合、年会費も考慮するとどのカードがお得なんでしょうか?
月還元ポイント | 年間還元ポイント | 年会費 | 年間損益 | |
楽天プレミアムカード | 500 | 6,000 | 11,000 | -5,000 |
楽天ゴールドカード | 375 | 4,500 | 2,200 | 2,300 |
楽天カード | 250 | 3,000 | 0 | 0 |
このように、楽天ゴールドカードの優位性が確認できます。
2024年から新しいNISAが開始され、特に投資信託を非課税で運用できる金額が大幅にアップします。
そういった状況にあり、この優位性は嬉しいポイントです。
次の一手の結論
「既に楽天プレミアムカードを保有している方」「楽天カードの新規発行を検討している方」の選択は、基本的に
楽天市場の利用を毎月20万円以上する方:楽天プレミアムカード
楽天証券で毎月5万円程度投資信託を購入する方:楽天ゴールドカード
それ以外の方:楽天カード
になると考えます。
前述のとおり、楽天証券で投資信託を購入する方にとっては、楽天ゴールドカードを使う価値があります。
また、楽天カードは基本的なスペックが1%還元であり、なおかつ年会費が無料ですから、ノーマルカードを持たない理由も特にありません。
さまざまなカードが還元率を下げてきている中、いまどき1%還元は貴重です。
といったことを踏まえて改悪後に保有するカードを選択するのはいかがでしょうか。
関連記事:マリオットアメックスのノーマルカードをあえて選択する意味
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