SANKOの株主優待券で街を巡る

ものすごい優待なのに、株主優待系のメディアで全くといって話題にならない会社のひとつに、SANKO MARKETING FOODSという会社があります。

かつて、「東京チカラめし」「金の蔵」などそれなりに知名度が高い飲食店を展開していた(今もしていますが)会社です。

話題にならない理由はただひとつ、「業績が悪くて、この会社の株を買うリスクが高いから」ということに尽きると思いますが、わたしはそんなこの会社の株主です。

この会社の株主優待の真骨頂は、自宅に送付される大量の海産物やその加工品ですが、店舗で使える優待券もあります。

先日、この優待券を使って街ぶらをしてきたので、記録に残します。

SANKO MARKETING FOODSの株主優待

保有している株式の数によって優待内容がかわりますが、最上位の5000株以上保有の株主の場合の場合は、「マグロ赤身や中とろの柵を含む、9種類の品」がもらえます。(2024年12月末基準の場合)

詳細はこちらのオフィシャルページから確認できます。

わたしは5000株以上保有しており、前回優待品をいただきました。

そのときの写真はこちらです。

海産物の下にもさらに海産物が入っているので、写真の見た目以上にものすごい内容と量で、冷凍庫があっという間に埋まってしまいました。

まぐろ赤身や中とろの柵は、数を間違えているんじゃないか??と思わず確認してしまったほどです。

これ以外に、缶詰やお茶漬けなども届きました。

詳しくは後述するように株価は全くぱっとしないので誰しもにお勧めできる銘柄ではありませんが、とにかく優待品だけで見た場合には最強といっていいでしょう。

街の店舗で優待券を使ってみた

この会社、複数ブランドの飲食店を営業していますから、使えるお店はそれなりに沢山選択肢があります。

店舗のリストはこちらです。

居酒屋がメインなので、ランチで使える店が少なめかなと思います。

この日は、2つの店舗を訪問してみました。

パスタmama

新宿でなぜか1店舗だけ運営されているパスタの店です。

11:30が開店時間で、その数分後に入ったのですが、既にお客さんが沢山入っていました。

そして、私が注文している間にも続々のと入店があり、あっという間に満席に近い状況になっていました。

パスタ自体は結構おいしくてボリュームもあり、株主優待券で30%オフで食べることができたのでよかったです。

※株主優待券の割引は改悪され、現在は20%オフです。

宮益坂下酒場

次は、渋谷でなぜか1店舗だけ運営されている居酒屋です。

渋谷でも繁華街とは違う方面ではありますが、駅前のわりと目立つところにあります。

土日は14時から営業しており、ここも開店からそれほど時間をおかずに入店しました。

私が入店した時にはお客さんが全く入っておらず、この立地でこの客入りは大丈夫か??と心配になったのですが、注文している間に続々お客さんが入ってきて、私が店を出るころには半分以上の席が埋まっていました。

この会社の売りは海鮮ですから、ここでは刺身などの魚系を中心に食べました。

味は結構いいけど、ボリュームがもうちょっとあるといいかなというのが感想です。

値段が極端に安いわけではないので、ちょっと中途半端感があるような。

とはいえ、ハッピーアワーで酒が安かったし、株主優待券で30%オフで飲み食いできたので満足です。

ちなみに、SANKO MARKETING FOODSが運営する店舗では、アカマル屋という居酒屋が主力です。

今回は行きませんでしたが、過去にアカマル屋に行ったときにはやはり刺身は美味しく、お客さんの入りもよかったんですよね。

ということで、飲食店の事業が復活してそのセクターだけは黒字化しているというのは本当だと思いますし、水産業の六次産業化を目指して、”一部”はうまくいっているように思います。

わたしがこの会社の株を買った理由とその後

この会社に注目した理由

コロナ渦で飲食店の営業が軒並み厳しくなりましたが、SANKO MARKETING FOODSは「大箱居酒屋を大量閉店」し「水産業の六次産業化を目指す」という珍しい方法で会社の立て直しを始めていました。

自前で魚を取って、それを自前で加工・流通させて、自前で売ったり自前の飲食店で提供する。

取り組みとしては面白いですし、これがうまく回りだしたら業績も一気によくなりそうですよね。

また、この会社は「金の蔵」や「東京チカラめし」など、それなりに知名度のある店舗を開発して展開した実績があります。

一方で、それらをうまく運営できず閉店させている負の実績も大いにあるのですが・・・

結果としては、「新しいことを始めて広げる力はある」「過去の失敗から学んで、無謀な拡大はしないんじゃないか?」といったことから、買ってみることにしました。(この時点では現在の超絶株主優待はまだありませんでした)

その後

2023年11月に現在の超絶株主優待が新設され、1株あたりの株価も安かったので、少しづつ持ち株を増やしていきました。

その結果、ある時点で5000株を超えることになり、この超絶株主優待をいただくことになりました。

その時点で含み損も結構あったのですが、その後もどんどん株価が下がっていく有様だったので、さらにちょいちょいナンピン買いも行いました。

相互関税ショック真っ最中の現在は、「購入した平均株価に対して半額セール」ということで、大幅にマイナスです。

半額セールになる前に一部は損失を確定させ、一部はまだ保有しています。

反省点

反省点は沢山ありますが、次の部分の想定が甘かったと思います。

  • 会社というものはそう簡単に変われるものではない。
    • 過去に何度も失敗している会社だけに、過去の失敗から学んで「三度目の正直」を期待していましたが、「二度あることは三度ある」という言葉が適切なようです。簡単に変わることができるのならだれも苦労しませんよね。
    • もともとの会社計画ではとっくに黒字化しているはずなのですが、決算のたびに下方修正が入り、未だに赤字です。売り上げは順調に伸びているのですが、前回の決算内容では、赤字がさらに拡大しました。過去に有言実行できていない会社は信用できません。
    • 飲食店事業は黒字化できているので、赤字の原因は主に水産事業です。しかし、会社からでてくる情報を読む限り、水産事業を黒字化するための道筋が全くみえません。調達した資金でその赤字を埋め合わせているだけです。
    • そんな状況なのに、東海エリアのフードコートの飲食店を買収して業務転換したり、新ブランドの店舗を立ち上げたりしている。(そしてその出退店のコストが赤字の要因のひとつにもなっている。)
  • 「MSワラント」をここまで連発するとは。
    • MSワラントは悪魔の増資とも呼ばれるほど悪名高い資金調達法ですが、実際に株主となってその影響を直にうけると、確かにそう呼ばれるのも実感できました。一株当たりの価値が定期的に薄まり、じわじわ株価が下がっていきます。
    • 事業が黒字化して、もっと早い段階でMSワラントでの資金調達をやめることを期待していましたが、赤字解消の見通しが立っていないので、その気配すらみえません。

もともと、リスクがあることを承知のうえでこの会社の株を購入していましたが、やはりというか、リスクそのものでした。

経営はだめだめですが、ビジネスモデルとしてはまだチャンスがあると思うので、どこかしっかりした飲食系のグループなどがTOBしてくれないかなと切に願います。

まとめ

これが、「面白そうな会社」「優待が凄い」みたいな理由だけでその会社の株を買うと、痛い目をみますよという実例です。

わたしはこの会社のおかげで、以前に比べてファンダメンタルズをかなり重視するようになり、期待だけで変な会社を買うことが大きく減りました。

今後そういった会社の株を目にしたとき、この記事が、みなさまが一歩立ち止まって考える材料になるようだと幸いです。

一方で、コロナの影響で株価が大きく下がった飲食系の会社は、当時他にも購入していたのですが、その多くは成功しています。

「トリドールホールディングス(丸亀製麺などを運営している)」「FOOD & LIFE COMPANIES(スシローなどを運営している)」「サイゼリヤ」「すかいらーくホールディングス」

などは、2025年4月現在、トランプの相互関税ショックで世界の株価が大暴落中においても、未だ大幅にプラスです。(なお、飲食系じゃなくても、コロナショック時に購入した優良企業の多くは同様だと思います。)

実際にこれらの店舗はよく利用していますが、株価が復活しているのも納得ですし、配当や優待もあるので株価が多少下がっても安心して継続保有できます。

会社の本来の業績とは関係がない要因で株価が激安なときに、まともな会社を買っておけばまず損はしないということも、一方で実感しますね。

相互関税ショックにより、株式投資をしている人にとってまだまだ厳しい時期が続きそうですが、こういった過去の実績を鑑みつつ、冷静に対処していきたいです。

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猫男
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会社のために働くか、自分のために働くか。自由を手に入れる、マネ活の話。それは、わたしたちに何をもたらすのか。社畜無間地獄 と マネ活極楽浄土のはざまを生きる。 ※このブログには広告を含みます※
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