D&IからいつのまにかDE&Iに進化することで増す危険性
以前は「ダイバーシティ&インクルージョン」と呼ばれいていたものが、近年「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン」と呼ばれるようになってきています。
上記の文章は、Sustainable Japanというサイトで説明されている、DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)についての説明の一部です。(一部タイプミスのみ修正)
私が働く職場でも、以前は 「ダイバーシティ&インクルージョン」という言葉をよく聞いていました。
しかし、確かに、いつにまにか 「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン」に変わっていたのです。
最近頻繁に叫ばれている、この 「ダイバーシティ&インクルージョン」「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン 」は、ブラック企業のブラック化を促進する危険性があると私は考えています。関連記事:ダイバーシティ&インクルージョンの危険性
今回は、より危険性が高まった、 DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン) について、ブラック企業対策の視点から考えてみます。
ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンとは
まずはじめに、DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)とはなにかを理解します。
これについては、冒頭で引用させていただいたサイトから、再び主要な部分を引用させていただきます。
ダイバーシティ(Diversity)
組織の中では、一人ひとりが多様な視点、仕事や人生の経験、宗教や文化の違いなどを持っています。これらの違いを認識し、背景とは無関係に一人一人を尊重し、大切にすることを学んだときにのみ、多様性の力を発揮し、その恩恵を得ることができます。エクイティ(Equity)
公平性は、利点と障壁が存在し、その結果、すべての人が同じ場所からスタートするわけではないことを認識しています。公平性とは、その不平等なスタート地点を認識し、不均衡を是正し、対処することを約束することから始まる一連のプロセスです。インクルージョン(Inclusion)
https://sustainablejapan.jp/2021/02/10/dei-2/58908
インクルージョンとは、帰属意識のことです。どのような個人や集団であっても、歓迎され、尊重され、支援され、評価され、参加できるような環境を作ることです。
それぞれ、確かに大事なことかもしれません。
しかし、少々綺麗ごとがすぎるような気がしませんか?
理想的な状況にむかって努力することは必要なことかもしれません。
しかし、ただそれを盲目的に信じて従ってしまうようでは、それはブラック企業にとって理想的なカモ社員になってしまうことでしょう。
ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの危険性
まず、以前から存在する、ダイバーシティ(Diversity)とインクルージョン(Inclusion)に関しては、私の過去の記事、 ダイバーシティ&インクルージョンの危険性 から内容を再掲します。
ダイバーシティ(Diversity)とインクルージョン(Inclusion)の危険性
- 女性管理職を増やそう→男性の管理職枠が減り、女性は昇進しやすくなる。→弱い男性の昇進機会はますますなくなり、強弱に関わらず女性は昇進機会が増える。その結果、強い女性はもっと強くなり、その下で働く弱い男性はもっと仕事がしづらくなる。
- 日本語が話せなかったり、日本語力の微妙な外国人を許容しよう。→その微妙な日本語力からくるしわ寄せは他の日本人社員に来る。→やっかいな仕事はより弱い男性にまわってくる。(また、英語力な微妙な日本人はよく見られないが日本語力が微妙な外国人は許容される傾向があり、これは逆差別とも言える。)
これらの危険性についての私の考えは、記事を書いた当初と全く変わっていません。
この2つに加えて、エクイティ(Equity)が増えました。
これもまた、かなり危険な思想であると私は考えています。
エクイティ(Equity)の危険性
”不平等なスタート地点を認識し、不均衡を是正し、対処する”ことがエクイティの重要な点です。
私自身、現在勤務しているホワイト企業の職場の中で、DE&Iに関する話を聞く機会が何度かありました。
そしてエクイティについて理解できたのは、確かに、 ”不平等なスタート地点を認識し、不均衡を是正し、対処する” ことを目指しているらしいということでした。
具体的な例としては、つまり、次のようにしていくのがエクイティのようです。
同じ職務を担うAさんとBさんがいた場合、「Aさんはできる人」「Bさんはできない人」であるとします。
この職務で求められる成果を100%とすると、
Aさん(できる人):進捗0%からスタート → 求められる成果は100%
Bさん(できない人):進捗50%からスタート → 求められる成果は100%
といった形になります。
つまり、 不平等なスタート地点であるBさんのスタート地点を認識して、同じように仕事に取り組めるようにすることが、この エクイティです。
確かに、”生まれ持った障害によって不平等なスタート地点にいる人”などがBさんであれば、それは必要なことであると思います。
だけど、”やむをえないできない人”と”本人の問題でできない人”の区別ができないものも必ずあるでしょう。
しかし、それ以上に問題なのは、”不平等なスタート地点を認識”して、”不均衡を是正し、対処する”のは、通常その人の上司が行うものであるということです。
つまり、ブラック上司が”不平等なスタート地点を認識し、不均衡を是正し、対処する” を行う場合、
Aさん(ブラック上司のターゲットとなった人):進捗-100%からスタート → 求められる成果は100%
Bさん(ブラック上司に守られている人):進捗90%からスタート → 求められる成果は100%
といった、職場のブラック化がよりオフィシャルに実施されることになりえます。
まとめ
「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン」は、「ダイバーシティ&インクルージョン」よりも明らかに危険な思想です。
新たに加わったエクイティは、ダイバーシティとインクルージョンと比べても、ブラック上司が日常の中で簡単に悪用できるものと言えるでしょう。
ブラック企業・ブラック上司のもとで搾取される一般社員にとって、 DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)は職場のブラック化を向上させ、その被害が拡大する危険性をもっています。
盲目的に自分が DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン) に取り組むのではなく、それによって自分にどんな不利益がやってくるのか?を考えながら職務にまい進する必要があるでしょう。
投稿者プロフィール
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ブラック企業から脱出しホワイト企業で働いているが、今はサラリーマン生活からの脱出を目指している、猫を愛する40代の男の記録です。このブログの記事には広告を含みます。
職場環境には、会社組織や上司の変更などによってブラック化する危険が常にあります。このブログでは、ブラック企業からの脱出方法、お得に暮らす方法、早期引退を目指す過程などを公開しています。
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