パワハラによる自殺のニュースで再認識するブラック企業の罪

”パワハラ” ”長時間労働” ”ブラック企業”などの言葉に敏感な私ですが、今日の”音声入手 「岡山放送社員自殺」社長の説明に社員が涙の抗議”というニュースにはなかなか考えさせられるものがありました。※このニュースのページは削除されました。

これは、岡山放送で、”長時間労働”+”上司によるパワーハラスメント”によって、残念ながら自殺という選択をされてしまったという事件でした。

この内容そのものは、よくあるパワハラによる自殺のニュースと言ってしまったらそうなのですが、 かつて”パワハラ” ”長時間労働” ”ブラック企業” で辛酸をなめた私から見て、このヤフーニュースのコメントの数々には大変共感できるものがありました。

パワハラの功罪

ヤフーニュースに記載されたコメントから、特に私の心に響いたものの一部を引用させていただきます。

・会社設置の窓口は「もみ消し部隊の情報収集機能」
・抗議をされた方が嫌がらせにあわない事を願います。
・本当に戦うならば、録音・録画で証拠を集めて徹底的にやらないと難しいだろう
・パワハラが起こる会社のトップは、大方 現場の実体験がなく、把握もできない人間が非常に多いです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/268a388ace2270fb59d29368206c6f046ee3e85a/comments?page=4&t=t&order=recommended

これは、コメントのほんとうに一部です。

本当に沢山のコメントがついているのですが、そのほとんどが、かつてパワハラ被害を受けたことのある私自身が共感できるものでした。

必ずしもヤフーニュースのコメントが多かったらそれが大多数の意見であるとは言えませんが、すくなくとも”パワハラ被害をかつて受けたことがある、または現在パワハラを受けている人が世の中には沢山いる”ということは、ある程度間違いないのではないかと思います。

事実、猫男が著者であるこのブログは、大多数の記事が”お得に生活するための情報”であるにもかかわらず、沢山の方が”ブラック企業”などのキーワードで検索されています。

これだけ騒がれながらもなくならないパワハラですが、その功罪とはなんなのか?を、これを機会にあらためて考えてみます。

パワハラの功

基本的にパワハラは罪だと思っていますが、1点だけ”功”と呼べるものがあると思っています。

それは、”会社にとって、パワハラによって部下をこき使う人間はメリットがある”ということです。

”おまえは仕事ができない”ということを徹底的に刷り込むことで、部下を追い込み、”大量の仕事を”、”より高品質に”、”同じ単価で”やらせるわけです。

会社からみれば、そういったことで成果を上げられる人間は有能であり、つまりパワハラ上司は本来会社が求める人間とも言えます。

パワハラの罪

パワハラの罪は、パワハラ被害を受けた人を駄目にしてしまうということに尽きると思います。

自殺がその最たるものです。

これは、その過失の比重によっては当人を殺人罪として扱ってしかるべきだと思います。

そうすれば、パワハラを問題視しない人間・企業は減るのではないでしょうか。

幸いなんとか自殺に至っていない私にしても、上司からの執拗なパワハラのおかげで、かつて仕事に情熱をもっていた人間が、現在全く仕事に向上心を持てない人間になってしまいました。

これは、人格否定にも近い、徹底的なパワハラによる賜物です。

長期的な視点で考えた場合、仕事を頑張ろうと思っている人を早々につぶすわけですから、会社にとってはこれは大きな損失だと思います。

しかし、これが容認される職場環境が多い現状には脅かされます。

ヤフーニュースのコメントから対策を考える

あらためて、先ほど引用したヤフーニュースのコメントから、パワハラへの対策を考えてみたいと思います。

  • 会社設置の窓口は「もみ消し部隊の情報収集機能」
    • これは本当にそうだと思います。私の経験でも、このような窓口は被害者の視点に立っておらず、申し立てのハードルが非常に高いです。私の場合は申し立てするに至らず、さらには最終的に会社を辞めざるをえなくなりました。
    • 窓口があっても安心できません。”会社の上層部は会社側の人” ”会社にとってあなたは単なる労働力”という視点は常に持っておいたほうがよいと言えます。
  • 抗議をされた方が嫌がらせにあわない事を願います。
    • 前項で述べた通り、基本的に会社は職位がより高い人、つまりパワハラ上司の味方ですから、抗議をする場合には会社を辞めるぐらいの覚悟を持って臨むべきです。
    • 事実、私は声を上げた結果会社を辞めざるをえなくなりました。
  • 本当に戦うならば、録音・録画で証拠を集めて徹底的にやらないと難しいだろう
    • 少なくとも”言われた内容と日時のメモ”は必須ですが、録音や録画もやっておくと確実です。
    • ”多少”では私の経験上相手にされませんので、戦うならば”徹底的な記録”が必要です。
  • パワハラが起こる会社のトップは、大方 現場の実体験がなく、把握もできない人間が非常に多いです。
    • 会社の上層部の多くはそもそもエリートであったり会社とのコネクションなどが強い方々です。つまり、現場でパワハラを受けている社員の状況や気持ちがわかるはずもありません。
    • ですから、下層の社員の申し立てよりも、会社から見て、”見た目上の優秀な実績をあげている”パワハラ上司を優遇するのは必然です。
    • といった状況から、そもそも実態を上層部に理解してもらうことが相当困難です。

それらを考慮したうえで、パワハラにどう対応するべきなのでしょうか?

私が実体験に基づく対策は

  • 極力会社ではおとなしくする(抗議しない)
  • 早めに退職・転職する

ではないかと思います。

弱者が強者に勝つことは困難を伴います。

例えば、同じネコ科だといっても、あなたの家の猫が、ネコ科ヒョウ属であるトラに勝てますか?ということです。

正攻法で挑むより、妥協して逃げたほうがコストパフォーマンスが高いのではないでしょうか。

残念ながら豊富なブラック企業・職場経験をもつ私は、ブラック企業カテゴリで他にも記事を書いていますので、よろしければそちらもご参照ください。

投稿者プロフィール

猫男
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ブラック企業から脱出しホワイト企業で働いているが、今はサラリーマン生活からの脱出を目指している、猫を愛する40代の男の記録です。このブログの記事には広告を含みます。
職場環境には、会社組織や上司の変更などによってブラック化する危険が常にあります。このブログでは、ブラック企業からの脱出方法、お得に暮らす方法、早期引退を目指す過程などを公開しています。
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パワハラによる自殺のニュースで再認識するブラック企業の罪” に対して2件のコメントがあります。

  1. deds より:

    結局どんなホワイト企業でも、一人の人でブラックになっちゃうんだからどうしようもないよね

    1. 猫男 より:

      コメントありがとうございます。私も全くおっしゃるとおりだと思います。そしてどうしようもないという現実をふまえた対策を考えるしかないのかなと。

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