ブラック企業を脱出するための思考法

ブラック企業からの脱出に苦しみ、Googleなどで検索をして、その方法を探る方は結構いらっしゃるようです。ブラック企業から脱出できる方法は実に簡単です。”会社を退職すればよい”のです。しかし”会社を退職する”ことが簡単にできないからこそ多くの人がブラック企業・ブラック職場で働くことに悩み、苦しんでいるのだと思います。

”ブラック企業を辞めればその苦しみから解放されるのに、辞めることができない”人は、大まかに以下のような問題・理由を抱えているのではないかと考えます。

  • 次の仕事が見つかるか心配
  • 給料は悪くない
  • 退職を切り出せる環境にない

それぞれについて、私の過去の経験も踏まえた対策をまとめてみたいと思います。

ブラック企業を辞められない理由に対する対策

なにごとも、問題に対しては対策を立てることができます。解決できない問題がないとは言いませんが、多くの問題にはなにかしらの対処ができるものです。なにも考えずに最初からあきらめてしまうのはもったいないです。

では、主な”ブラック企業を辞められない理由”への対策を考えてみたいと思います。

・次の仕事が見つかるか心配

これは、年齢によるところが大いにあります。少なくとも、35歳に満たない人は心配することはないと思います。現在40代の私が30代だった時に会社を辞めた際、”35歳の障壁(=求人対象が34歳以下)”というものが非常に重くのしかかりました。つまり、会社を辞めたはよいが、35歳になる前に仕事を決めなければならないというプレッシャーです。少子高齢化の影響により、ここ数年は新卒の売り手市場のようですが、35歳以上の人間は管理職のような職務をある程度期待される年代になります。このご時世、上級職は狭き門であり、決して求人も多くなく、そこに入り込むのも大変です。かといってそれ以外の仕事は、専門職などを除けは”同じ条件であれば若い人が有利”となってしまいます。

同じ賃金で同じ仕事をしてもらうのであれば、変に知恵がついてプライドの高い年長者より、世間を知らないフレッシュな若者のほうが会社としては使いやすいですよね。

といったようなことを総合的に考えると、少なくとも35歳以上でブラック企業・ブラック職場で苦しんでいる人は、極力今の職場で働きつつ、並行して別の仕事を探すという形が賢明です。”休みが取れないから、働きながらの転職活動は無理”という方も中にはいると思います。しかし、普段から有休が使えないような環境で働いている人は、つまり未消化の有休が沢山あるわけで、それを使用する権利を持ち合わせているわけです。ですから、就職面接の当日になって”親が危篤なので”等、なんでも理由をつけて休んでしまえばよいのです。

この世の中は、気が弱い人・真面目な人は他人に付け入られていいように使われてしまう弱肉強食の世界です。こんな時ぐらい嘘をついて休みを取ったところで、なんの問題もありません。自分本位な人・要領よく生きている人は日常的にそのようなことをやっているのですから、そんな嘘など、嘘という範疇に入りません。

以上のことからまとめますと、

「34歳以下の人はまずはブラック企業を退職し、新しい仕事を探す。」

「35歳以上の人は働きながら新しい仕事を探す。今の仕事で休みが取れないという問題はどうにでもなる。」

ということになります。

・給料は悪くない

はたして、いまの給料は、業務量・業務内容の対価としては本当に悪くないんでしょうか? 現在の自分の給料が、一般社会の給与水準に比べて悪くないからといって、”仕事はブラックだと思うけどしょうがないか”などと思っていないでしょうか?

例えば、2017年の日本人の平均世帯年収は552万3000円だそうです。これは、年齢や業種、共働きかどうかなどの条件がばらばらな人をすべて含んだ平均になっています。当然、同じ業種・年代であっても、”勤務時間の長短” ”業務に対するプレッシャーの高低”なども異なる条件での平均であるわけです。つまり、「毎日定時帰りの30歳がもらう年収552万円」と「毎日終電帰りの35歳がもらう年収552万円」も同列であるわけです。つまり、自分が 「毎日終電帰りの40歳がもらう年収552万円」 であったとき、その552万円の年収は、悪くないと言えるものでしょうか? ”自分は大した人間でもないし、これだけ給料もらっているんだからしょうがないか”と安易に考えるのは危険です。

遥かに楽な仕事で同等の給料をもらっている人は沢山います。仕事自体が楽なわけですから、より高度なスキルが求められるというわけでもありません。つまりその違いは、働いている場所が”ブラック企業” ”ブラック職場”なのか、そうではないのか、だけです。

また、ブラック企業から抜け出した後に同等の給与が得られるとは限らず、下がってしまう場合も多々あるでしょう。しかし、少なくとも勤務時間が適正になり、極度のプレッシャーから解放されるのであれば、多少給与が下がっても転職のメリットは大いにあります。残業がなくなって空いた時間は自分のために使えますので、給与が下がったとしても時間のボーナスが得られたと考えることができます。また、極度のプレッシャーにより精神や体を壊してしまっては、その回復に多くの時間や費用が必要になりますので、その点でもメリットが沢山あることは言うまでもありません。

ということで、これらを踏まえたうえで、自分の労働の対価について考えてみる必要があります。

・退職を切り出せる環境にない

私個人としては、これがもっとも難しい理由ではないかと感じています。私自身、退職願を会社に出すことがはばかられるという状況に身を置いたことがないのですが、退職願を出せないほどの職場環境というものは、相当危険な状況なのではないかと想像します。

退職を切り出せない理由には大きく2つ「会社側の反応に対する恐怖」「他の従業員への遠慮」あるのではないかと考えます。それぞれ、対応を考えてみたいと思います。

「会社側の反応に対する恐怖」

退職の話を出すことによって、「退職が受け付けられない」「自分へのプレッシャーが高まる」などのリスクが考えられる職場かと思います。”どういう反応がくるかは話をしてみないとわからないからとりあえず退職を申し出てみる”という思考をもってまずは行動に移すのが、追加費用もかからずお得でよいと私は思います。

それでもしトラブルになるようでしたら、翌日から会社に行かず、退職代行サービスなどを利用して退職するという手段に移行することもできると思います。

「他の従業員への遠慮」

職場がブラックであっても、組織や上司がブラックなだけで、同僚には良い人が沢山という場合も多いでしょう。私の2度のブラック企業体験は、いずれもその状況でした。こういった場合、「私が辞めたら、他の人がもっと大変になるのでは・・」ということが頭をよぎり、退職に対して抵抗がでてきます。

これは私が経験しているので断言できるのですが、「辞めたら他の人は大変になるけど、自分は確実に楽になる」「大変になった人もその後ブラック企業を脱出して、その人も楽になる」という、正のサイクルを生み出すことができます。

退職によって、辞めた人の職務・仕事は別の社員が受け持つことになります。また、辞めた人がブラック上司からターゲットにされていた場合、別の社員にターゲットが移ることになります。つまり、ブラック企業を退職した人の穴を埋めることになる社員は、同じ苦しみを味わうことになります。

自分のよく知るあの人が、お世話になったあの人がそういった目にあうことはつらいかもしれません。しかし、自分がブラック企業で苦しみ続ける必要も全くないわけです。他の人も確かに大事ですが、自分の生活・自分の命がなにより大事であることを再認識したほうがよいです。そういった遠慮をしていたからこそ、ブラック企業・ブラック職場・ブラック上司の餌食にこれまでなっていたとも言えます。

それに、過去の私の経験では、「私の後釜になった人」「私の後にブラック上司のターゲットになった人」は例外なくその後ブラック企業・ブラック職場から脱出し、平和な生活を手にしています。ですから、自分がブラック企業から脱出することは、他の社員のためにもなるという考えを持つとよいと思います。

以上、ブラック企業を脱出するための思考法や対策についてのまとめでした。

投稿者プロフィール

猫男
猫男
ブラック企業から脱出しホワイト企業で働いているが、今はサラリーマン生活からの脱出を目指している、猫を愛する40代の男の記録です。このブログの記事には広告を含みます。
職場環境には、会社組織や上司の変更などによってブラック化する危険が常にあります。このブログでは、ブラック企業からの脱出方法、お得に暮らす方法、早期引退を目指す過程などを公開しています。
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